【2026年9月4日 追記】 この記事は出品数とセラー数で書いていますが、その後Terapeakで実際の販売率を測ったところ、タイトルによって桁が違いました。遊戯王41.63%・ポケカ17.83%・ワンピース7.53%に対して、ヴァンガードは0.56%、デジモンは1.55%です。セラー数が多いことは、そのタイトルが売れることを意味しませんでした。バランスが最も良いのはポケカ(17.83%・平均$49・落札セラー1,909人)です。実測は125品目の販売率を実測したら服が一番弱かったにあります。
前回のカメラに続く、実測シリーズの3本目はトレカです。
トレカはeBay輸出の王様ジャンルです。総覧の回で数えたとおり、「Pokemon card Japanese」の日本発出品は66万件超。市場の大きさでは他のジャンルを寄せつけません。ただ、大きい市場と「個人が入れる市場」は別の話です。
今回もタイトル別に数えました。日本所在のactive出品数、検索上位200件の価格中央値、そして上位200件を出しているセラーの人数です(2026年8月25日、eBay公式Browse API)。前回同様これは供給側の数字で、売れた数ではありません。売れ行きは各表のリンク先(Sold検索)で確かめられます。
タイトル別の表
表のキーワードはeBayのSold検索(売れたもの・日本所在)に飛びます。
| タイトル | 日本発出品数 | 中央値 | 上位200件のセラー数 |
|---|---|---|---|
| ポケカ(Pokemon card Japanese) | 667,255件 | $11 | 21人 |
| 遊戯王(Yugioh Japanese) | 295,232件 | $5 | 23人 |
| ヴァイスシュヴァルツ | 102,632件 | $47 | 54人 |
| ワンピースカード | 96,073件 | $18 | 56人 |
| デジモンカード | 41,691件 | $36 | 62人 |
| MTG日本語版 | 33,969件 | $30 | 45人 |
| ドラゴンボールカードゲーム | 29,323件 | $88 | 118人 |
| デュエルマスターズ | 23,680件 | $39 | 81人 |
| ユニオンアリーナ | 19,450件 | $72 | 84人 |
| ヴァンガード | 10,493件 | $64 | 52人 |
| バトルスピリッツ | 6,783件 | $20 | 43人 |
ポケカ66万件の上位は、21人だった
この表でいちばん見てほしいのは、やはりセラー数の列です。
ポケカは66万件の出品があるのに、検索上位200件を出しているのはわずか21人。遊戯王も29万件で23人。市場が大きいほど自由に見えて、実際は検索の一等地を少数の大手が固めています。中央値を見ると理由も分かります。ポケカ$11・遊戯王$5——低単価カードの大量自動出品が上位を埋めているのです。この単価帯は手数料と送料を引くと1件あたり数十円の世界で(実効コストの内訳)、仕組みで薄利を積む大手の土俵です。個人がここへ正面から入るのは分が悪い。
対照的に、前回のカメラはどの銘柄も100人前後の分散でした。「トレカは巨大市場だから入りやすい」は、数えてみると逆で、トレカの巨大タイトルこそ寡占、カメラのほうがずっと開けています。
ただしトレカの中にも開けた場所はあります。ドラゴンボールカードゲームは118人、ユニオンアリーナは84人、デュエルマスターズは81人。中央値も$39〜88と、1件で利益の計算が立つ帯です。新しめのタイトルや、海外展開が限定的なタイトルほど、まだ大手の自動出品に埋め尽くされていません。
同じポケカでも、棚によって景色が変わる
「じゃあポケカは無理か」というと、そうでもありません。同じポケカの中を棚で分けて数え直すと、こうなります。
| 棚 | 日本発出品数 | 中央値 | セラー数 |
|---|---|---|---|
| シングルカード全体 | 667,255件 | $11 | 21人 |
| プロモカード | 66,411件 | $42 | 88人 |
| 未開封ボックス | 6,392件 | $109 | 76人 |
| PSA10(鑑定済み) | 157,626件 | $113 | 46人 |
シングル全体では21人の寡占なのに、プロモは88人、未開封ボックスは76人に割れます。単価が上がって「1件ずつ目利きする棚」になるほど、自動出品の支配が効かなくなるからです。イベント配布のプロモや絶版ボックスは、仕入れられる人だけが出せる棚でもあります。
つまりトレカで見るべきは「どのタイトルか」より先に「どの棚か」です。低単価シングルの機械戦を避けて、プロモ・未開封・鑑定済みのような1件ずつの棚を選ぶ。ここはリピートリストの考え方がそのまま使えます。カード名と型番で特定できるので、一度売れた棚は繰り返せます。
レトロの紙もの
現行カードゲームの外に、古い紙ものの棚があります。
| キーワード | 日本発出品数 | 中央値 | セラー数 |
|---|---|---|---|
| カードダス全体 | 122,482件 | $91 | 29人 |
| ドラゴンボール カードダス | 29,218件 | $105 | 69人 |
| セーラームーン カードダス | 4,823件 | $59 | 46人 |
| ビックリマンシール | 5,176件 | $31 | 55人 |
90年代のカードダスは中央値$91〜105と、現行カードゲームの大半より単価が上です。刷られた枚数が有限で、状態の良い個体が年々減っていくので、構造としては現行トレカよりむしろ前回のフィルムカメラに近い。ビックリマンシールのような「カードゲームですらない紙もの」まで、eBayには棚があります。この辺りは総出品数が小さいぶん、日本のリサイクルショップやフリマで現物を掘れる人の土俵です。
数字の読み方について、ひとつ正直に
セラー数は「検索上位200件(ベストマッチ順)を出している人数」で、市場にいるセラーの総数ではありません。上位200件は買い手が最初に目にする一等地なので、「その一等地を何人で分け合っているか」の指標として読んでください。また出品数は供給側の数字です。売れているかどうかは、各リンク先のSold検索と、売れるまでの日数で確かめるのが確実です。
この先のシリーズ
次はコスメか、レトロゲームの深掘りを予定しています。総覧は市場地図の記事へ。
(開示:この実測データは箱らぼ運営者が自分のリサーチ用に作ったものです。フル版275キーワードの一覧は、自作ツールSellerNaviの利用者特典として整備中です)
