「eBayで何を売ればいいか」という質問は、たぶん少しだけずれています。正しくは「何を繰り返し売れるか」です。
一発当たる商品を探し続けるやり方は、当たっても次の月にはまたゼロから探すことになります。これを何ヶ月も続けると、リサーチの時間だけが積み上がって、1件あたりのコストがいつまでも下がりません。
この記事は、その逆をやる話です。繰り返し売れると確認できたものをリスト化して、そこから出品する。 うちが初期の人に一番伝えたいのはこれです。
「中古は一点もの」は、半分だけ正しい
よくある思い込みから外します。
中古品は一点ものだから、売れたらまた別の商品を探さないといけない——これは正確ではありません。型番のない中古が一点ものなだけです。
リピートできるかどうかを分けているのは、ジャンルでも新品・中古でもなく、型番で特定できるかどうかです。
リピートできる(型番がある)
- カメラ・レンズ(型番)
- 腕時計(リファレンス番号)
- ゲーム機・ゲームソフト(品番)
- 電動工具(型番)
- オーディオ機器(型番)
- フィギュア・プラモデル(品番)
- トレーディングカード(カード名・型番)
リピートしにくい(型番がない)
- 一点物の古着
- アンティーク・骨董
- 状態でしか区別できないもの
型番があるものは、中古でもメルカリやヤフオクに同じものがまた出てきます。だから一度「この型番はeBayで売れる」と確認できたら、その型番はリストに入れて、出てくるたびに仕入れればいい。
トレーディングカードは、この構造がいちばん極端に出ているだけです。カードが特別なのではなく、型番が効いているのです。
リピートリストの作り方
やることは4ステップです。
- Soldで「繰り返し売れている」と確認できた型番を、リストに貯める
- そのリストから、出品枠の許すかぎり出す
- 売れた実績で枠が広がる → リストからもっと出せる
- リストが増えるほど、1件あたりのリサーチコストが下がる
初期に見るべき指標は「今月いくら儲かったか」ではありません。「リピートリストが何点になったか」と「そこから何点出せているか」です。
ここが始め方の記事と噛み合います。リミットアップ(出品枠の引き上げ)の条件は枠を使い切ることでした。枠を埋めるのに毎回ゼロからリサーチしていたら、手が足りません。リストがあれば、枠は埋まります。
そしてリストは減りません。一度確認した型番は、来月も再来月も使えます。目先の利益より先に積むべきなのは、この資産のほうです。
初期に伸び悩む人の多くは、リサーチが下手なのではなく、当てたものをリスト化していないのだと思います。毎回いちから探しているので、いつまでも1件あたりのコストが下がらない。
リストに入れる条件
やみくもに増やすとリストが濁ります。うちは入れる基準を決めています。
- Soldに複数件ある — 1件だけの高額落札は「たまたま」かもしれません
- 出品から売れるまでが短い — 3日以内が並んでいれば強い(売れるまでの日数の読み方)
- 国内で継続的に出物がある — そもそも仕入れられなければリピートできません。ここを見落として「売れるけど買えない」型番を貯めがちです
- 手数料負けしない単価 — eBayの実効コストは売上の17〜21%です(手数料の記事)
判断が速いのもリスト型の利点です。同じ型番のSoldが何度も出るので、中央値の相場も回転日数も安定して読めます。一点ものは、この2つがどちらもぶれます。
もう一つのリスト:カレンダーで先読みできるもの
型番リストとは別に、時期で回るものを持っておくと強いです。
新発売のトレーディングカード、プロモ・配布品、イベント限定。2026年の夏コミで配布されたワンピースの「メタキラカード」は、イベント直後のSoldで出品当日に売れた(0日)ものが何件も並び、2万円超の即決価格(Buy It Now)がそのまま通っていました。
意外なところでは、週刊少年ジャンプの新連載が始まる号も地味に速い。理由は同じ構造です。
- その号が特定できる(何年何号)=型番と同じ働きをする
- 供給が止まる — 週刊誌は書店から消えるのが早く、後から手に入りにくくなる
- 需要が後から来る — 連載が人気になってから「第1話が載った号」を探す人が出る
新連載・巻頭カラー・付録つきの号は、この「あとから欲しくなる」が起きやすい。発売直後は供給が多くて安く、時間が経つほど消える——型番リストとは逆向きの動き方をします。
雑誌を扱うときの注意:書籍は、古物台帳の「1万円未満でも記帳義務がある品目」に入ります。1冊数百円でも1件ずつ記帳が必要です(古物台帳の書き方)。冊数が増えると効いてくるので、先に記録の仕組みを決めてから増やしてください。
このカレンダー型は、型番リストと別枠で持つのがおすすめです。混ぜると、リストが「一発もののブーム」で濁ります。定番として繰り返すものと、時期を取りにいくものは、性質が違います。
予約出品(presale)は使えるが、ルールがある
発売日が決まっているものなら、手元に届く前に出品するやり方もあります。eBayでは presale(プリセール)と呼ばれ、認められています。ただし条件つきです。
eBayの presale listing policy で求められているのは、次の3つです。
- タイトルと説明の両方に、presale(予約販売)であることを明記する
- 発送可能になる日を、出品ページに明記する
- 購入から40営業日以内の発送を保証する
さらに、ハンドリングタイム(発送までの日数)には、自分が商品を仕入れるのにかかる時間も含める必要があります。
違反した場合、出品の削除、警告、出品制限、アカウント停止といった措置の対象になります。発売日が40営業日より先の商品を予約出品するのは、たとえ説明に書いていても違反です。
使うなら、こう使う
- 発売日が確定しているものだけ。「たぶん手に入る」で出さない
- 仕入れの見通しが立ってから。予約が取れていない状態で出すのは、在庫切れキャンセルを自分から仕込む行為です
- 40営業日の線を必ず確認する。約2ヶ月ですが、土日祝を除いた営業日カウントです
予約出品は、供給が追いつく前の窓を先に取れる手です。うまく使えば回転は上がります。ただし在庫切れキャンセルはアカウントの評価指標を直撃するので、無在庫の記事に書いた「件数の上限は監視能力で決まる」という話がそのまま当てはまります。
リストの育て方
作って終わりではありません。うちは月1で棚卸しします。
- 売れたらリストに回数を記録する — 何回リピートしたかが、そのままその型番の信頼度になります
- 仕入れられなかったものは外す — 「売れるのに買えない」型番は、リストにあると判断を鈍らせます
- 相場が落ちたものは下げる — 出品者が増えて中央値が落ちた型番は、仕入れ上限を引き直す
リピート回数が積み上がった型番は、もう調べ直さなくていいということです。ここまで来ると、リサーチの時間は新しい型番を探すほうにだけ使えます。
まとめ
- リピートできるかを分けるのは、ジャンルでも新品・中古でもなく型番の有無
- 型番中古は、トレカと同じくリスト化できる。「中古は一点もの」は型番のない中古の話
- 初期攻略は「リピートリスト」を作り、そこから枠いっぱい出すこと。指標は月の利益額より、リストの点数と出品点数
- リストは減らない資産。枠を埋められればリミットアップも回る
- 型番リストとは別に、カレンダーで先読みできる枠(新作カード・プロモ・雑誌の新連載号)を持つ
- 予約出品は使えるが、タイトルと説明に明記・発送可能日を記載・40営業日以内の発送保証が条件
なぜ利益率より先に回転を見るのか、その計算は初心者こそ回転率の記事にまとめています。
