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eBay輸出で包丁は売れる?ノミ・鉋・のこぎりも合わせて実測した

包丁の売却率13.34%・セラー20人。9月19日のBrowse API再確認と合わせて、和式刃物・大工道具の市場を実測しました

最終更新 2026.09.19書いた人:箱らぼ運営(現役セラー)
「包丁は、売れるのか。」の題字と、包丁+13.34%・ノミ+9.51%・鉋+3.50%・のこぎり+5.88%という売却率を並べたアイキャッチ

総覧カメラ編レトロゲーム編TCG編古着編フィギュア編に続いて、シリーズ7本目は包丁・ノミ・鉋(かんな)です。

このジャンル、実は少し前から気になっていました。Terapeakでブランドを横断してスクリーニングしていたとき、和包丁と和式の大工道具だけ、売却率が頭ひとつ抜けていたからです。数字はいったん寝かせていたのですが、そろそろ記事にしておこうと思います。

条件はシリーズ共通。日本所在セラー・中古限定・過去90日のTerapeak実測(2026年9月9日)です。

売却率で見る、包丁とノミの強さ

品目売却率90日Soldセラー数
包丁13.34%359個20人
ノミ9.51%429個49人
のこぎり5.88%13個5人
3.50%162個33人

このシリーズでこれまで扱ったカメラやレトロゲームは、売却率がだいたい3〜6%台でした。包丁の13.34%とノミの9.51%は、そこと比べてもはっきり高い数字です。一方でセラー数は20〜49人。フィギュアやTCGで見た数百人規模とは、市場のサイズがひとつ違います。

鉋とのこぎりは弱含みでした。特にのこぎりはSold13個・セラー5人と、そもそも母数が小さすぎます。同じ大工道具でも、ノミと鉋・のこぎりでは温度差がある、というのが正直なところです。

今、誰が出しているのか

売却率だけだと過去の話で終わるので、9月19日にBrowse APIで現在の出品状況も見てみました。同じ条件(日本所在セラー)で、アクティブ出品数と上位30件のセラー内訳です。

品目現在のアクティブ出品数上位30件で目立つセラー
包丁6,990件セラーA(8件)
ノミ5,975件セラーB(6件)、大工道具専門を掲げる屋号のセラー(4件)
4,722件あるセラー(10件)
のこぎり819件あるセラー(8件)

※セラー名はここでは伏せます。特定の出品者を名指しする記事ではないためです。

鉋は上位のセラー1人が30件の3分の1を占めていました。この人はアンティーク家具の中に鉋も混ぜて売っているタイプで、専業の道具屋ではなさそうです。

面白かったのは、包丁の上位に出てきたセラーAと、ノミの上位に出てきたセラーBが、それぞれ別カテゴリーにも顔を出していたことです。セラーAはのこぎりの上位にも入っていて、セラーBは包丁のリストにも入っていました。屋号から推測するに、道具や刃物をまとめて扱う総合系のセラーだと思います。

ノミのリストには、屋号がそのまま「ノミ専門店」を名乗っているセラーもいました。ここは専業に見えます。

セラーAの中身

包丁の上位に出てきたセラーAの実際の出品を開いてみたら、面白いことをやっていました。「壊れた包丁」を、壊れたまま売っています。

商品説明にはこう書いてあります。「研いでいません。刃はまともに切れる状態ではありません」。修理を前提にした現状品で、研磨もメンテナンスも一切していません。その代わり、1枚の写真に写っている包丁は全部まとめて1つの値段。さらに「よし春上/奈良三條宗近/源秀兼作/堺和弘本割込/関孫六」のような、有名な銘や産地の名前を説明文に並べています。実物がどの銘かは分からなくても、検索に引っかかりやすくする狙いだと思います。東京から発送、まとめ買いは送料をまとめる案内もしていました。

このパターンで実際に売れた例をいくつか拾いました。同じタイトルで、TW◯◯◯やKH◯◯◯のような自店の管理コードだけ違う出品が大量にあり、90日のうちに「壊れた包丁の詰め合わせ」だけで13件、「壊れた1本もの」で20件、合計33件が売れています。ほぼ3日に1件のペースです。

商品参考価格売却日
壊れた包丁の詰め合わせ KH261$69.002026-09-14
壊れた包丁の詰め合わせ KH340$60.002026-09-09
壊れた包丁1本 KH325$69.002026-09-13
壊れた包丁1本 KH148$59.002026-09-11
壊れた包丁1本 KH332$96.002026-09-09
ノミ 12.7cm前後 KH591$55.002026-08-30

研いで磨いてから出品する自分のようなやり方とは真逆で、手間をかけずに現状品のまま数で回す方式です。どちらが正しいというより、研磨する時間が取れないなら現状品で数を出す、時間が取れるなら研磨して単価を上げる、と選べるということだと思います。

同じ出品が何度も売れている例

セラーAは管理コードを変えて数を出すやり方でしたが、逆に同じ出品ページがそのまま複数回売れているケースも確認できました。出品を都度作り直さなくても、在庫を補充するだけで売れ続けている商品です。

品目商品サイズ参考価格90日の販売回数
ノミヴィンテージ追入ノミ 12本セット12本組$74.836回
ノミヴィンテージノミ 12本セット(別出品)12本組$44.754回
SUIZAN 豆鉋42mm$24.805回
Senkichi 鉋40mm×150mm$15.413回
包丁GLOBAL G-2 シェフナイフ8インチ$28.392回
包丁TOJIRO FUJITORA210mm$96.982回

ノミの上位2つが、どちらも「12本セット」だったのが目を引きました。単品より、まとめて仕入れてセットで出す方が動いているようです。

実はこれ、自分にも心当たりがあります。輸出を始めたばかりの頃、ハードオフやヤフオクでノミをまとめ買いして、研いだり錆を落としたりのメンテナンスをしてから出品していた時期がありました。当時は確かによく売れていた記憶があります。今回の実測を見て、あれは思いつきではなく、ちゃんと数字の裏付けがある鉄板ジャンルだったんだなと分かりました。今やっていないのは、単純に他のジャンルに手を広げてから戻れていないだけだと思います。

空白地帯というより、少人数の競合

売却率とセラー数だけを見ると「空いている」と言いたくなりますが、実際に出品リストを見ると、包丁もノミも今すでに数千件が並んでいて、その中の一部を数人のセラーがまとめて占めているという状態でした。ゼロから出品する空白地帯というより、先に入った少人数と、そこに勝負をかけるという方が実態に近いと思います。

ノミと鉋を比べると、ノミの方が専業を掲げるセラーが育っていて、鉋はアンティーク業者のついで出品に見えました。同じ大工道具でも、ノミの方が「この道具の専門家」を求めているバイヤーが多いのかもしれません。

ローマ字の「kanna」で探すバイヤー

英語圏の検索語を見ていて、ひとつ気づいたことがあります。鉋を英語で検索すると、"japanese hand plane" と並んで "kanna" というローマ字そのままの語が出てきます。ノミも同じで、"japanese chisel" の他に vs western(西洋のノミとの違い)を比較する検索が目立ちました。

これは、買う側がすでに「和包丁」「ノミ」「鉋」を西洋の道具と違う独立したカテゴリーとして認識している、ということだと思います。だとすると、タイトルに変に英語だけのブランド名を並べるより、kannaのようなローマ字表記や「Made in Japan」を正面に出した方が、探している人に届きやすいはずです。

まとめ

  • Terapeak実測(2026年9月9日・JPセラー限定・中古90日)で、包丁の売却率13.34%・ノミ9.51%はシリーズ内でも高い部類。ただしセラー数は20〜49人と市場自体は小さい
  • 鉋・のこぎりは売却率が弱く、特にのこぎりはSold13個・セラー5人としきい値以下
  • 9月19日時点のBrowse API実測では、包丁6,990件・ノミ5,975件・鉋4,722件・のこぎり819件が現在の出品数。上位30件は数人のセラーに偏っていて、空白地帯というより少人数競合の市場
  • 複数カテゴリーを横断する総合系セラーの存在も確認できた(セラー名は伏せる)
  • 英語圏の検索では "kanna" のようなローマ字表記も使われている。西洋の道具と別物として探されている
  • 90日で複数回売れている実例を見ると、ノミは「12本セット」がどちらも動いていた。単品よりセット出品の方が強い
  • 包丁の上位セラーの1人は「壊れた包丁を現状品のまま」管理コード違いで大量出品する方式で、90日に33件(ほぼ3日に1件)売っていた。研磨して単価を上げるか、現状品で数を出すかは選べる

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