【2026年9月4日 訂正】 この記事の出品数は本体とソフトを混ぜた数字でした。分けて実測したところ、7機種すべてで本体がソフトの1.4〜2.4倍売れています(セガサターン本体14.77%対ソフト7.06%、ゲームボーイ本体14.47%対ソフト5.97%)。平均落札価格も本体の方が高く、同じ検品の手間なら本体を優先する方が合理的です。実測は125品目の販売率を実測したら服が一番弱かったにあります。
僕自身、レトロゲームは仕入れの実感がいちばん湧くジャンルです。 「Region Free」「English Menu」というタイトルの一言が、値段にどう出るのか。 自分でも気になったので、実際に数えてみました。
先に結論を書くと、今回の実測では、Region Free表記が価格に一貫した影響を与えるとは言い切れません。 測定精度を上げるほど差は縮み、PS Vitaでは逆転すらしました。
「Region Free」と書くと高く売れる、と言い切るのは今の実測ではまだ早い。 むしろ大事だったのは、表記そのものより、検索条件にジャンク品やアクセサリが混ざっていないかを先に疑うことでした。
プラットフォーム別の出品数
まず全体量です。2026年8月30日、eBay公式Browse APIで日本所在のactive出品数を数えました。
あくまで今出ている数(供給側)で、売れた数ではありません。 供給が多いからといって売れやすいとは限らないので、そこは分けて見てください。
| プラットフォーム | 日本発出品数 |
|---|---|
| Game Boy | 57,454件 |
| Famicom | 96,841件 |
| Nintendo DS | 51,394件 |
| Super Famicom | 51,152件 |
| PlayStation 2 | 53,346件 |
| Nintendo Switch | 51,938件 |
| PSP | 29,596件 |
| Nintendo 3DS | 27,905件 |
| Sega Saturn | 27,648件 |
| PS Vita | 18,107件 |
| PC Engine | 15,631件 |
| WonderSwan | 4,114件 |
| Game & Watch | 643件 |
(リンク先はeBay通常のサイト内検索です。関連度の出し方が公式APIとは少し違うため、リンクを踏んだ瞬間の件数はここに書いた数字とぴったり一致しないことがあります。目安として使ってください。)
ファミコンが最多です。ゲームボーイも6万件近くあって、人気タイトルの相場上昇が出品量を押し上げている気がします。 逆にWonderSwanとGame & Watchは、日本限定ハードなのでそもそも玉数が少ないニッチ枠です。
ここで見たいのは、単純な順位だけではありません。 物量が多い市場と、玉数は少ないけれど海外の人が探しやすい市場は、分けて考えたほうがよさそうです。
eBay輸出で見る「Region Free」の意味
携帯機の出品タイトルには、「Region Free」という言葉がよく出てきます。 本体の地域制限や、対応言語(メニューが英語で使えるか)への関心が強いことの表れです。
ここでは、改造の良し悪しではなく、タイトル上の表記と価格の関係だけを見ます。 先に断っておくと、この記事は改造の方法を解説するものではありません。 本体の地域制限を回避する行為は、メーカーの利用規約に抵触する可能性がありますし、方法や国・法域によっては法的な論点も出てきます。 そういう商品を扱うなら、対象国の法律、メーカー規約、eBayの出品ポリシーを先に確認してください。 「改造済みと明記すればいい」という単純な話ではなく、そもそも扱っていいかどうかの判断が先です。
Region Free表記で価格差は出るのか
条件を絞って測り直した後の数字では、「Region Free表記があるから明確に高い」とは言い切れませんでした。
eBayの検索が対応している「-junk -parts -repair -lot」というマイナス指定でジャンク品を検索の時点から締め出し、比較対象をVideo Game Consolesカテゴリの本体だけに絞り、サンプルも各200件に増やして測り直しました(2026年8月31日)。
| プラットフォーム | Region Free表記あり | 表記なし | 差 |
|---|---|---|---|
| Nintendo 3DS | $178 | $175 | +2% |
| PSP | $141 | $130 | +8% |
| PS Vita | $165 | $194 | -15% |
| Nintendo DS | $80 | $75 | +7% |
差はほぼ誤差の範囲まで縮み、PS Vitaにいたっては逆にRegion Free表記のほうが安く出ています。 「Region Free」と書くと高く売れる、と言い切るのは今の実測ではまだ早い、というのが正直なところです。
ただ、最初に測ったときは違う見え方をしていました。 「Region Free」という言葉がタイトルにある出品とない出品で、価格の中央値がどれだけ違うか実測しました(2026年8月30日、eBay公式Browse API、各30〜50件サンプル)。
| プラットフォーム | Region Free表記あり | 表記なし | 差 |
|---|---|---|---|
| Nintendo 3DS | $189 | $172 | +10% |
| PSP | $112 | $105 | +6% |
| PS Vita | $170 | $167 | +2% |
この時点では、3機種とも、Region Free表記のある出品のほうが中央値は高く出ました。 少なくとも、買い手が「Region Free」と明記された状態に価値を見ている可能性はある、というのがこの時点での見立てでした。
Region Free集計で見つかった2つの罠
最初の数字をそのまま読むと危ない、と思った理由が2つあります。
一つ目は、商品ミックスの偏りです。 最初に集計したとき、Nintendo DSの「Region Free」表記は表記なしより74%も安いという結果が出ました。 そのまま「DSはリージョンフリー表記があると安くなる」と書いていたら、商品ミックスの偏りを言葉の効果と取り違えるところでした。
タイトルを1件ずつ見て分かったのは、Region Free表記の側に$29.99の「For Parts(ジャンク)」DS Lite本体が大量に混ざっていたことでした。 逆側には$150〜800のNew 3DS/2DS XLのような高額品が偏っていました。 つまり言葉のせいで安いのではなく、たまたま安い商品群にその言葉が多かっただけです。
同じ検証をPC Engineの「Tested」表記でもやったところ、本体(高い)とソフト単品(安い)の混在が原因で+203%という数字が出ていたことも分かりました。
二つ目は、比べている母集団そのもののずれです。 「Region Free」という言葉は、本体の出品にしか出てきません。 一方で「nintendo 3ds」のような素の検索語は、本体だけでなくソフトやケース、スタイラスペン、画面保護フィルムまで拾います。 つまり「表記あり」は本体だけの集計、「表記なし」は本体からアクセサリまで全部込みの集計になっていて、比べている母集団そのものがずれていました。
一件ずつ目視で弾くより先に、検索の作り方そのものを疑ったほうが早いことがあります。 今回で言うと、マイナスワードでノイズを締め出すことと、カテゴリを絞ることの2つでした。 数字が想定と違う向きに出たときは、まず検索条件を疑う、というのが今回の実感です。
ゲーム自体が英語で読めるか、というもう一つの軸
ここまでの「Region Free」は、本体やソフトの地域制限に関する話でした。 ソフト単体を買う側にとっては、それとは別に「このゲーム自体が英語で読めるか」がもっと切実な関心事です。 実際のタイトルから、日本発のソフト単体出品で「English」がどう使われているか集めました。
いちばん多いのは、PS2からPS5世代の日本版ソフトについて、出品タイトル上で言語切り替えや英語対応をうたう表記です。 出品タイトルでは、たとえば次のような書き方が出てきます。
- (Playable in English)
- English support
- English Compatible
- English Voice
- English Subtitles
日本版ディスクに英語音声・字幕が入っている、と出品タイトル上で示す書き方です。 『ファイナルファンタジーX インターナショナル』『キングダムハーツ ファイナルミックス』のような名前も、出品タイトル上では英語音声・英語対応を示す文脈で並びます。 日本版として出ている商品でも、海外向けの出品では英語対応の有無が前面に出ます。
(断り書き:ここで挙げた対応状況はeBay出品タイトル上の表記から拾ったもので、公式スペックとして裏取りしたものではありません。実際に対応言語を確認したい場合は、商品説明や画像、レビューまで見てください。)
English検索で見つかった混ざりものの罠
「English」でタイトル検索した集計をそのまま信じるのは危険です。英語対応ソフトだけでなく、無関係な商品が大量に混ざります。
ファミコン・DS世代の出品タイトルを見ていくと、Eigo Zuke(英語漬け)、English of the Dead、Michael 英語野郎の大冒険、ポパイの英語遊びのような結果が大量に混ざります。
これらは翻訳版でも輸出仕様でもなく、「英語を学習するための」日本語教育ソフトそのものです。 タイトルに"English"という単語が入っているだけで、外国人プレイヤーが遊べるかどうかとは無関係です。 「English」でタイトル検索した集計を見るときは、この手の教育ソフトが混ざっていないか一件ずつ確認する必要があります。
もう一つ注意したいのが、非公式の翻訳パッチ版や複製カートをうたう出品です。 オリジナルの正規品ではない可能性があるため、扱う場合はRegion Free改造と同様に、対象国の法律とeBayの出品ポリシーを事前に確認してください。
この先のシリーズ
次はトレカ(ポケカ以外のタイトル別)を予定しています。 総覧は市場地図の記事、カメラはカメラ編へ。
(開示:この実測データは箱らぼ運営者が自分のリサーチ用に作ったものです。ゲーム以外も含む275キーワードのフル版一覧は、自作ツールSellerNaviの利用者特典として整備中です)
