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eBay輸出で古着は売れる?日本発12ブランドのセラー数と相場を実測

同じ2,300件でも、17人で分けているブランドと73人で分けているブランドがあります

最終更新 2026.09.03書いた人:箱らぼ運営(現役セラー)
デニムジャケットの男性が裾を折り返したジーンズの赤耳を確かめている絵と、「古着は、誰が出してる? 12ブランドを実測した」の題字入りアイキャッチ

【2026年9月4日 訂正】 この記事は出品数とセラー数から「入れるかどうか」を読む内容ですが、その後Terapeakで実際の販売率を測ったところ、古着・アパレルは測った4カテゴリで最も売れていませんでした。1個売るのに必要な出品数が、カメラとゲーム本体で6〜16個なのに対し、アパレルは66〜1,000個です。セラー数は競合の詰まり具合を示しますが、需要の有無は示しません。実測は125品目の販売率を実測したら服が一番弱かったにあります。

【2026年9月11日 追記】 下表の「(参考)Needles全体」の行は、絞り込みなしの「Needles」検索によるものでした。「Needles」は裁縫針・レコード針等の一般名詞でもあり、この検索は大部分が無関係な針製品に汚染されていることが判明したため削除しました。表の他の行(Needles track pants を含む)は「track pants」等で絞り込み済みのため、この問題の影響を受けていません。

古着は、eBay輸出の中でいちばん「日本にしかない在庫」で戦える領域だと思っています。カメラやトレカと違って型番がないぶん、目利きと商品説明がそのまま値段になる。

ただ、どのブランドが空いていてどこが詰まっているかは、感覚では分かりません。数えました。

先に結論

  • いちばん詰まって見えるのはNeedlesのトラックパンツ。日本発2,303件の上位200件を17セラーで分け合っていて、しかもそのうち1アカウントが147件。ただし中身を見ると寡占の理由が違いました(後述)
  • いちばん空いているのはEvisu。2,420件に73セラー。数はNeedlesとほぼ同じなのに、人が6倍いる
  • 回転で選ぶならセルビッジデニム。ブランド名ではなく素材名で売れているので、仕入れの入口がいちばん広い
  • 高く出せば高く売れるわけではありません。出し値と成約値がいちばん開いていたのはCDGシャツでした

日本発の出品を12ブランドで数えた

eBay公式のBrowse APIで、日本所在の出品数と、上位200件を出しているセラーの人数、出品価格の中央値を取りました。2026年9月3日の実測です。

ブランド日本発の出品数上位200のセラー数出品価格の中央値
Issey Miyake37,202件40人$304
Yohji Yamamoto13,509件33人$344
Kapital10,354件43人$300
Comme des Garçons shirt8,713件25人$304
visvim5,576件54人$261
sukajan(スカジャン)5,073件56人$161
Wacko Maria3,902件27人$208
Japanese selvedge denim3,887件51人$165
Sun Surf3,680件28人$195
HOMME PLISSÉ2,798件39人$462
Evisu2,420件73人$218
Needles track pants2,303件17人$359

セラー数で見る、詰まりと空き

出品数の多さは市場の大きさですが、入れるかどうかを決めるのはセラー数のほうです。

Needlesトラックパンツの17人は、トレカ記事で驚いたポケカの21人より絞られています。ただし数えているうちに、これは寡占と呼んでいいのか怪しくなりました。

上位200件のうち147件が、たった1アカウントの出品でした。残り199件を16人で分けている、という形です。3回測り直しても16〜17人・最大147〜149件で安定していたので、たまたまではありません。

そのアカウントを見ると、Needles関連で587件を出していて、フィードバックスコアは11。今日も新しく出品しています。つまり長年やってきた強者ではなく、最近まとめて並べ始めた1人が検索結果を埋めている状態に見えます。

なので「業者が固めていて入れない市場」ではなく、「1人の物量で表示が埋まっている市場」と読むほうが近い。数字の見た目と、実際の入りにくさは別物でした。

Evisuの73人は逆です。出品数はNeedlesとほぼ同じなのに、6倍の人数で分け合っている。1人あたりの取り分は小さいですが、裏を返せば上位が固まっていないということです。カモメのペイントやY2Kのバギーは状態と柄で値段が動くので、写真と説明で差が付きます。

Comme des Garçons shirtの25人は、出品8,713件に対してこの人数なので、Needlesに近い詰まり方です。量は多いのに人は少ない。

「売れているか」は別の数字

上の表は供給側、つまり今出ている数です。売れた数ではありません。

売れ行きはSold検索で別に取っています。こちらは2026年7月17日の実測で、直近成約の中央値です。

ブランドSold件数成約価格の中央値
Issey Miyake1,800件¥16,057
Yohji Yamamoto1,600件¥15,370
日本製セルビッジデニム1,400件¥11,353
CDGシャツ905件¥8,108
Kapital429件¥24,329
Evisu379件¥16,203
visvim306件¥43,921
HOMME PLISSÉ211件¥19,463
スカジャン164件¥18,652
Needles トラックパンツ70件¥19,463
Sun Surf63件¥16,217
Wacko Maria49件¥15,403

ここで目を引くのがセルビッジデニムです。日本発の出品3,887件に対してSoldが1,400件。他が数%台なのに対して、この比率だけ突出しています。

ただし、2つの数字は48日離れているので、割り算した数値をそのまま回転率とは呼べません。eBayのSold検索が拾う期間にも限りがあります。方向として「セルビッジは在庫が滞留していない」と読むところまでです。

出し値と成約値が開いているところ

同じブランドの「出品価格の中央値」と「成約価格の中央値」を並べると、開き方がまるで違いました。1ドル160円で換算します。

ブランド出し値(中央値)成約値(中央値)
CDGシャツ約¥48,600¥8,108
Issey Miyake約¥48,600¥16,057
HOMME PLISSÉ約¥73,900¥19,463
visvim約¥41,800¥43,921

CDGシャツは6倍近く開いています。高いCDGが売れ残り、安いCDGが売れている、という形です。「量は出るが単価は低い」という体感と一致します。

visvimだけは出し値と成約値がほぼ同じでした。出したら出した値段で売れているブランドは、この12個の中でvisvimだけです。ただし真贋の壁が高いので、そこは別の話になります。

なおこの比較も、供給側が9月3日・成約側が7月17日で、検索クエリの一致も完全ではありません(成約側には靴や小物が混ざる語もあります)。倍率そのものより、開いている・開いていないの差として見てください。

セルビッジデニムとは何か

さっきから出ている「セルビッジ」を先に説明しておきます。ここが分かると、なぜ日本製が指名で買われるのかも分かります。

生地ののことです。普通の生地は大きく織ったものを裁断するので切り口がほつれます。でも昔ながらのシャトル織機で織ると、端がほつれない形で織り上がる。この織りっぱなしで完結した端がセルビッジです。

見た目で分かります。ジーンズの裾を折り返すと、外側の縫い目に白い生地の端が出て、そこに赤い線が入っていることが多い。これが「赤耳」です。

生デニムの裾を折り返したところ。外側の縫い目に沿って白い生地の端が出ており、その中に赤い線が通っている

※赤耳の見え方を再現したイメージです(実物の商品写真ではありません)

縫い目の両側に白い帯と赤い線が出ているのは、左右のパネルがそれぞれ自分の耳を持っていて、それを縫い合わせているからです。裾を折り返して撮るだけで証明になるので、出品写真には必ず1枚入れます。

アメリカは一度、作るのをやめました

昔のリーバイスの赤耳を織っていたのは、ノースカロライナのCone Mills White Oakという工場です。1905年から操業して、リーバイスの501XXに1900年代初頭から生地を供給していました。

そこが2017年12月に閉じました。112年目でした。アメリカ最後のセルビッジ工場です。

理由は効率です。シャトル織機は生地の幅が狭くて、織るのが遅い。工場に残っていたドレイパー X3という織機は40台ほどで、世界中のメーカーが幅の広い新しい織機に切り替え、発注が海外に流れて成り立たなくなりました。

日本は捨てませんでした。 岡山や広島の織屋が旧式のシャトル織機を維持して、途切れずに織り続けています。だから海外のバイヤーは Japanese selvedge で検索する。ブランド名ではなく、製法の名前で指名買いされているわけです。

ただし、この話には続きがあります

White Oakのドレイパー X3織機45台は、ジョージア州トリオンのMount Vernon Millsに移設されました。整備してセルビッジ専用のラインに組み込み、2026年初頭の稼働予定と発表されています。

つまり「もう世界のどこでも作れない」ではありません。ほとんどのメーカーが捨てた製法を、日本が捨てなかった。そしてアメリカが45台だけ取り戻そうとしている、というのが今の正確な状況です。

日本製の希少性がすぐ消えるとは思いませんが、「アメリカにはもう無い」を売り文句にするのは、そろそろ危ういかもしれません。

仕入れの筋

数字から見えた入口を3つ書いておきます。

プリーツ系はメンズが濃い。 Issey Miyakeの実体は、ほとんどがPleats PleaseとHOMME PLISSÉです。品番タグがPPで始まるのがウィメンズ、HPがメンズ。成約中央値はHPのほうが一段上でした。メルカリでは「プリーツプリーズ」「オムプリッセ」のカナで探せます。

罠がひとつあって、me ISSEY MIYAKE(ミー)は別の安いラインです。見た目が似ているので混同されがちですが、値段が違います。タグの品番写真がある出品を選ぶと一発で判別できます。

セルビッジはブランドを覚えなくていい。 前の章のとおり製法で買われているので、無名の日本製でも成立します。メルカリ側は「赤耳」「セルビッチ」で拾えます。裾を折り返した写真が出ていれば、赤耳かどうかはその場で判別できる。ブランド知識が要らないぶん、古着を始めるならここがいちばん入りやすいと思います。

状態が値段を決めるジャンルを選ぶ。 プリーツなら潰れと糸引け、デニムなら色落ちとアタリ。状態で値段が動くジャンルは、検品と写真の手間がそのまま利益になります。逆に状態が関係ないものは価格競争になります。

eBayの古着ルール

「古着は出していいのか」という質問をよく見るので、eBayのUsed clothing policyを確認しました。

出せないものは、中古の下着と靴下です。ボクサーパンツ、ショーツ、ブリーフ、おむつ、サポーターが例として挙がっています。清潔であっても不可と明記されています。ただしブラジャーは下着として扱われません

それ以外の古着は出せますが、条件が2つあります。ひとつは適切にクリーニングすること。もうひとつは、商品説明にその商品への異常な愛着を表す言葉や画像を入れないこと(着用した人についての記述など)。

日本側では古物商許可が要ります。中古品を仕入れて売る以上、避けて通れません。

まとめ

古着は、ブランドを覚えるよりセラー数を数えたほうが早いと思っています。同じ2,300件でも、17人で分けているNeedlesトラックパンツと73人で分けているEvisuでは、入っていける余地がまるで違います。

ただしNeedlesで見たとおり、セラー数だけでは足りません。17人のうち1人が147件を出していた、というところまで見ないと、詰まりの正体を読み違えます。数えるなら、人数と一緒に「最大の1人が何件持っているか」も見てください。

始めるならセルビッジデニム。ブランド知識が要らず、素材名で売れていて、Soldの比率も一番高い。単価を取りたくなったらKapitalやvisvimに寄せていく、という順番が現実的です。

数字の出どころは、供給側がeBay公式Browse APIの2026年9月3日実測、成約側が同年7月17日のSold実測です。相場は動くので、仕入れる前にご自身でSold検索を確認してください。

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