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eBay EU向けに追加費用。1荷物あたり約1,000〜1,800円、安い商品ほど危ない

取扱手数料は10月23日から、PIDは11月1日から。金額は重さに関係なく、品目の種類で決まる

最終更新 2026.10.24書いた人:箱らぼ運営(現役セラー)
紺地に日本とヨーロッパを結ぶ点線の航路と、1荷物あたり約1,000〜1,800円という追加費用の数字を大きく配した、EU向け取扱手数料の題字入りアイキャッチ

EU向けに送ると、荷物1個ごとに約1,000円(FedEx・Economy)〜約1,800円(DHL)が余分にかかるようになりました。SpeedPAKの運営元(オレンジコネックス)が2026年10月22日付の資料を出していて、日付も金額もそこで固まっています。

ざっくりまとめると、こんな感じです。

  • 金額は、荷物の重さにもサイズにも関係ありません。決まるのは「品目の種類(HSコード)の数」だけです
  • 安い商品ほどダメージが大きいです。売値$25のゲームソフトだと、売値の2〜4割が消えます
  • もう始まっています。Economyは10月23日、DHLとFedExは10月27日の発注分から。EU税関での正式施行は11月1日です
  • $172.5(150ユーロ)を超えると、ルールが少し変わります。PID申告は不要になりますが、取扱手数料の2ユーロは残ります

この記事は、運営元の資料を読んで、セラー目線で整理し直したものです。数字は2026年10月22日時点のもので、予告なく変わることがあります。

何が始まったのか

SpeedPAKでEU加盟27か国に送る荷物に、EU取扱手数料がかかるようになりました。以前からある3ユーロの臨時関税とは別に、上乗せで取られます。

いつから対象
2026年10月23日 0:00(日本時間)SpeedPAK Economyの発注分から
2026年10月27日 0:00(日本時間)SpeedPAK DHL・FedExの発注分から
2026年11月1日(欧州現地時間)EU税関で正式施行。対象の全荷物に課税

前の記事では「開始時期は未確定」と書いていましたが、これで日付が決まりました。

ちなみに、150ユーロ以下でも150ユーロ超でも、金額帯に関係なくかかります。

いくらかかるのか

手数料は2ユーロ(約370円)×HSコードの数です。品目の種類が増えると、その分だけ増えます。

150ユーロ以下の荷物で、資料の式に当てはめるとこうなります(1ユーロ=約185円)。

発送方法HSコード1つHSコード2つ
SpeedPAK FedEx/Economy約945円+送料約1,889円+送料
SpeedPAK DHL約1,813円+送料約2,757円+送料

内訳は4つです。

  1. 固定関税:3ユーロ(約555円)/HSコード
  2. EU取扱手数料:2ユーロ(約370円)/HSコード
  3. 通関処理手数料:上の合計の2.1%
  4. その他の通関費用:DHLだけ運送状1枚につき850円。FedExは免除、Economyは0円

DHLの1,813円は、555+370+(555+370+850)×2.1%+850 で出ています。自分で計算し直して、資料の数字と合うことを確認しました。

ポイントは、重さもサイズも一切入っていないことです。100gのゲームソフトも、1kgのかばんも、60サイズのフィギュアも、HSコードが1つなら追加費用は同じです。重さの分は、これとは別に送料のほうに出ます。

安い商品ほどキツい

追加費用は固定なので、売値が安いほど重くのしかかります。売値別に割合を出してみました(1ドル=156円で換算した例です)。

売値FedEx・Economy(945円)DHL(1,813円)
$25(約3,900円)売値の24%売値の46%
$50(約7,800円)12%23%
$100(約15,600円)6%12%
$170(約26,500円)3.6%6.8%

$25のゲームソフトをDHLで送ると、売値の半分近くが追加費用で消えます。この価格帯は、実質、EUには送れなくなったと考えたほうがいいです。

前の記事で「$100未満はやめたほうがいい」と書きましたが、今回の手数料でその判断はさらに強まりました。

150ユーロ(約$172.5)を超えると

150ユーロは、EUR/USDが1.15前後で約$172.5です。ここを境にルールが変わります。

150ユーロ以下150ユーロ超
使える発送方法Economy・DHL・FedExDHL・FedExのみ(Economyは不可)
インコタームズDDPのみ(売り手が関税を払う)DDPかDDUを選べる
取扱手数料2ユーロかかる(売り手負担)かかる(DDPは売り手、DDUは買い手)
PID(製品識別コード)の申告必須(11月1日から)不要

150ユーロ超の関税や付加価値税がいくらになるかは、資料に書かれていませんでした。なので、この記事でも触れません。

払うタイミングと、返ってこないお金

請求のタイミングは、支払い方法で変わります。

  • 都度払い:配送ラベルを作るときに、「推定の手数料」が先に引かれます
  • まとめ払い:荷物の引受スキャン(A scan)のときに計上されます。Economyは日本の倉庫を出た時点です
  • 精算:あとから実際の税関の確定額に合わせて、足りなければ追徴、多ければ返金されます

そして、ここが大事なところですが、発送したあとは返金されません。税関の申告が受理された時点で費用が確定するからです。次のようなときでも、手数料は戻りません。

  • 現地で配達に失敗した、ずっと不在だった
  • 買い手が受け取りを拒否して、返送された
  • 税関で止められて、差し押さえや廃棄になった
  • 途中で届かなくなった、紛失した

高い商品を送って、買い手が受け取りを拒否したら、荷物は戻ってくるのに手数料は戻りません。ちょっと痛いですよね。

PID(製品識別コード)はどう入れるか

11月1日から、150ユーロ以下のEU向けB2C貨物は、PIDの申告が義務になります。PIDの3種類の意味は国別の発送可否の記事に書いたので、ここでは今回の資料でわかった、SpeedPAKでの扱いだけ書きます。

朗報として、自分で入力しなくても、CPaSSがeBayの出品データから自動で補ってくれます。

コード自動で入るもの
M-PID(自分の管理コード)出品のeBay Item IDを最優先で使う
NS-PID(メーカーの型番)出品時のメーカー型番(MPN)を優先して取る
S-PID(国際標準コード)登録してあるEAN・GTIN・UPC

ただ、気をつけたい点が4つあります。

  • 自動で補われた値は、セラー画面で確認できません。何が入ったのか見られないんです
  • 変更できるのはSKU単位だけです。注文が入ったあとに、注文ごとに直すことはできません
  • 自分で入れた値は、自動の値より優先されます(手入力でもAPIでも)
  • 申告が間違っていたときの責任は、全部セラーにあります。通関の遅れ、差し押さえ、罰金、返送があっても、運営元は責任を負わないと資料に書かれています

CPaSSでの入力は任意です。入れる場所は、ステータスが「発送手続き」の荷物の「編集」の中です。

自動補完に任せるなら、出品にMPNとEAN(JAN)を入れておくのがいちばん確実です。コードがない商品は、新しく作らずに「NO」と書く扱いです。

今日からやること

  1. EU向けの売上が全体のどれくらいあるか、まず見てみる。 少ないなら、EUへの発送自体を止めるのがいちばんラクです。配送ポリシーで、EU加盟27か国を1つずつ除外します(「Europe」という地域でまとめて除外すると、イギリスなど加盟国じゃない国まで巻き込みます)。やり方は配送ポリシーの記事に書きました
  2. EUに売り続けるなら、送料か価格に約1,000〜1,800円を乗せる。 ただ、売値が約$50以下の商品は乗せても利益が残りにくいので、止める判断もありです
  3. 同じ種類の商品は、1つの荷物にまとめる。 手数料はHSコードの数にかかるので、同じ種類なら1つ分で済むはず、と私は理解しています。種類が違う商品を入れると、その分増えます。ここは運営元に確認してください
  4. 出品にMPNとEANを入れておく。 PIDの自動補完に使われます
  5. 最初の数件は、請求書の金額を確認する。 資料にも「最終金額は実際の請求書で確認」とあります

対策:配送ポリシーを売値の高さで分ける

追加費用は荷物ごとの固定額なので、売値が安い商品ほど割合が大きくなります。そこで、配送ポリシーを売値の高さで3つに分けて、商品ごとに割り当てる方法があります。eBayはポリシーを出品ごとに選ぶので、価格で送料を変えたいなら、ポリシーを分けるしかありません。

  1. 売値が約$50以下:EU加盟27か国を除外したポリシー。 追加費用が売値の1〜4割になる価格帯なので、送らないのがいちばん確実です
  2. 売値が約$50〜$170:EU向けの送料に、約1,000〜1,800円を上乗せしたポリシー。 FedExやEconomyなら約1,000円、DHLなら約1,800円が目安です
  3. 売値が$172.5超:DHLかFedExで送る前提の別ポリシー。 Economyは使えません。追加費用の割合は3〜7%まで下がります

$50や$170はあくまで目安なので、自分の利益率に合わせて動かしてください。

上乗せには注意点もあります。EUのバイヤーは価格にシビアなので、送料を上げると売れにくくなることがあります。上乗せしても売れないなら、上乗せせずに自分で費用を持つか、その価格帯もEU除外にするのもありです。どこまで細かく分けるかは、EU向けの売上がどれくらいあるかを見てから決めるのがいいと思います。

まだわかっていないこと

  • 国別の手数料(フランスの2ユーロ/HSコードなど)と、今回のEU全体の手数料が重なってかかるのかは、資料に書かれていません
  • 150ユーロ超のDDPで、関税と付加価値税がいくらになるかも、資料にありません
  • 円換算は2026年10月22日のレートの参考値です。為替で変わります

出典

  • オレンジコネックス「EU税制改革実務対応ガイド『製品識別子(PID)申告』と『EU取扱手数料』の解説」(2026年10月22日時点)
  • 問い合わせ先(日本語対応):0800-300-8192(月〜土 9:00〜18:00)/cs.jp@orangeconnex.com/セラーポータルのチャット

数字や日付が変わったら、この記事を更新します。

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