箱らぼHAKOLABO
リサーチ

eBay輸出でEUのどの国に今送れる?日本郵便が止まった8か国の一覧

制度の解説は増えたのに、「で、今日どこに何で送れるのか」が書かれていない。EU27か国を発送手段ごとに表にしました

最終更新 2026.09.09書いた人:箱らぼ運営(現役セラー)

DDPの記事を書いたのが夏でした。あれから4か月で、EU向けの条件はさらに3回変わっています。

いま一番困るのは、制度の解説記事は増えたのに、「で、今日どの国に何で送れるのか」が書かれていないことです。自分で調べ直したので、日付順に並べます。国別の一覧表は最後に置きました。

先に結論だけ書きます。

  • 日本郵便でEU8か国に送れません。 発送方法を問わず、7月24日から。8月31日更新の時点でも再開していません
  • 残りのEU19か国には送れます。ただし関税はかかります
  • 11月1日から、全EU向けに「製品識別コード(PID)」の申告が必須になります。準備期間は2か月を切りました

この4か月で何が変わったか

日付何が起きたか
2026/6/22eBay SpeedPAKのEU向けがDDP必須
2026/7/1EUが150ユーロ免税を撤廃。内容品ごとに3ユーロ
2026/7/24日本郵便が8か国でIOSS郵便の引受を停止
2026/8/3日本郵便がUGXを代替として案内
2026/11/1PID(製品識別コード)が必須に

3か月で4回です。追いかけるのが前提の状態になっています。

日本郵便で送れなくなった8か国

オーストリア、デンマーク、ドイツ、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルク。

日本郵便のドイツ宛条件表には、こう書かれています。

IOSS制度を利用する国際郵便物はお引受けできません。

EMS、国際eパケット、小形包装物、発送方法を問わず全部です。IOSS番号を使う郵便物が対象になります。eBay経由の販売はeBayのIOSS番号を使うので、ここに当たります。

理由は日本郵便のシステムがEUの新しい税制に対応できなかったからで、7月24日から止まっています。

当初は「8月を目途に再開」と案内されていました。ですが8月31日更新の続報3では「現在も調整中」に変わっています。 9月に入っても再開していません。

返送されても郵便料金は返ってきません。 7月23日までに差し出した分だけが返還対象です。

誤解しやすいところ

「EU全体が送れない」ではありません。 オランダ、イタリア、スペイン、アイルランド、スウェーデン、ポーランドなどには、今も日本郵便で送れます。

止まっているのは8か国だけ。ただし関税の制度変更はEU27か国すべてに適用されます。ここが2階建てになっています。

45ユーロという、もうひとつの線引き

「150ユーロ未満は一律3ユーロ」と書いている記事をよく見かけます。ですが日本郵便の案内を読むと、その手前の45ユーロにも線が引かれています。

商品価格CtoC(個人間の贈答)BtoC(ネット販売)
45ユーロ未満免税3ユーロ/内容品
45〜150ユーロEU共通税率3ユーロ/内容品
150ユーロ以上EU共通税率EU共通税率

そしてBtoCの定義は「差出人が販売する者である場合」で、個人か法人かを問いません。eBayで売っている時点で、副業でも個人でもBtoCです。「自分は個人だからCtoC」は通りません。

単位も間違えやすいところです。3ユーロはHSコードごとではなく、内容品ごとにかかります。 日本郵便は続報3で、わざわざ括弧書きの「(HSコードごとではありません)」を足して打ち消しています。同じHSコードの品を2点入れれば6ユーロ、という計算です。

なお、この3ユーロは2028年7月1日までの暫定措置で、それ以降は通常の関税率に移行する予定とされています。

11月1日から必要になるPIDとは

EU税関に、商品1点ずつを一意に特定できるコードを申告させる制度です。越境ECのトレーサビリティ向上と、規制品の取り締まりが目的とされています。

3種類あります。

種類中身
M-PID販売者が付けている商品コードSKU、管理番号
NS-PIDメーカー独自の型番(モデル・シリーズ単位)品番
S-PID国際標準の識別子EAN、GTIN、JAN、ISBN

3つ全部は要りません。 複数ある場合は、税関の管理に一番役立つものを選んで申告する、という書き方になっています。

対象は150ユーロ以下のB2C。EU域内のVAT登録事業者宛(B2B)は対象外です。

時期扱い
2026/7/1〜任意。出しても出さなくてもよい。罰則なし
2026/11/1〜必須。不備があると申告エラーになり、荷物が保留・拒否される

実際にどこへ書くのか

日本郵便のUGXの場合、書き方まで案内が出ています。

  • 1点だけの荷物:Hubezの備考欄に Merchant Product ID: 123456 のように直接書く
  • 複数点の荷物:備考欄に See Attached PID List と書き、内容品名、HSコード、PID、コード種別を並べたリストを添付する

注意点がひとつ。色違い・素材違いはHSコードが同じでもSKUごとに別行で書く必要があります。同じ「Tシャツ」でまとめられません。

なお、この対応が求められるのはUGXプライムとUGX越境EC配送サービスで、通常のUGXは対象外とされています。

中古品はどうなるのか

ここが気になったので調べましたが、中古品・ヴィンテージ品でGTINが存在しない場合の扱いは、公開情報では明示されていませんでした

読める範囲で判断すると、M-PID(自分の管理番号)で足りるはずです。S-PIDは「存在する場合は提供する」という書かれ方で、存在しないこと自体が不備にはならない、という理解です。日本郵便の例示も Merchant Product ID から始まっています。

ただしこれは条文と案内の読み取りで、実際の運用で弾かれないかは分かりません。11月が近づいたら、使っている配送業者に確認したほうがいいです。

誰が申告するのか

PIDを税関に渡すのは、実際には発送業者か、eBayなどのプラットフォーム側です。送り状に手で書くという話ではなく、電子通関データに載るかどうかの問題になります。

使っている配送業者がどう対応するかで、セラー側の作業が変わります。日本郵便は上のとおり備考欄への手入力を求めていますが、他社は違う可能性があります。

なお、eBayの日本語の案内ページを見た限り、PIDについての記載はまだありません。SpeedPAKのDDP必須化の案内にも出てきません。

今使える発送手段

SpeedPAKは郵便ではないので、8か国の引受停止とは無関係です。eBayの案内では対象はEU加盟国すべて。ただし2026年6月から150ユーロ以下はDDP必須になっています。

サービスDDP必須化
eBay SpeedPAK Economy2026/6/22〜
eBay SpeedPAK - Ship via FedEx / DHL2026/6/26〜
FedEx @ International Connect Plus2026/6/26〜

UGX(ゆうグローバルエクスプレス)は日本郵便自身の国際宅配便なので、口座も窓口もそのままです。ただし欧州の対応国が限られます

  • UGX越境EC配送サービス(8月3日〜):英国・オランダ・ドイツ・フランス・ベルギー
  • UGXプライム:英国・オーストリア・オランダ・スイス・スロバキア・デンマーク・ドイツ・フィンランド・フランス・ベルギー・ポーランド・ルクセンブルク

引受停止8か国のうち、ポルトガルだけがUGXのどちらにも入っていません。 ポルトガル宛はSpeedPAKかクーリエになります。

FedEx・DHLは、CPaSS経由なら直接契約なしで割引運賃が使えます。

【一覧】いま、どの国に何で送れるか

○=送れる ✕=送れない

日本郵便が使えない8か国

日本郵便SpeedPAKFedEx・DHLUGX追加手数料
ドイツ○ 越境ECなし
フランス○ 越境EC2ユーロ/HSコード
ベルギー○ 越境ECなし
オーストリアプライムのみなし
デンマークプライムのみなし
フィンランドプライムのみなし
ルクセンブルクプライムのみなし
ポルトガルなし

日本郵便が使える19か国

日本郵便SpeedPAKFedEx・DHL追加手数料
オランダなし
イタリア2ユーロ/1出荷
ルーマニア約5ユーロ
スペインなし
ポーランドなし
スウェーデンなし
アイルランドなし
チェコなし
ハンガリーなし
ギリシャなし
スロバキアなし
スロベニアなし
クロアチアなし
ブルガリアなし
エストニアなし
ラトビアなし
リトアニアなし
キプロスなし
マルタなし

※追加手数料は3ユーロの関税とは別枠です。フランスは2026年3月1日から、イタリアは7月1日から、ルーマニアは1月1日から。

イギリスとスイスの扱い

どちらもEUではないので、ここまでの話はすべて対象外です。ノルウェーも同じ。

eBayの配送ポリシーで地域単位の「Europe」を除外すると、この3国まで一緒に止まります。EUを外したいなら、加盟27か国を個別に指定して除外してください

配送ポリシーで見落としやすいこと

最後に、自分が実際に踏んだ話を書きます。

eBayの配送ポリシーは、コピーを作ると除外国の設定が引き継がれないことがあります

自分の場合、日本郵便を使う低価格帯のポリシーではEU各国を除外していました。ところが、そのポリシーをコピーして作った別のポリシーでは、除外リストからEUが丸ごと消えていました。設定画面では気づきません。APIで一覧を出して初めて分かりました。

除外を入れたつもりでも、ポリシーごとに1本ずつ確認したほうがいいです。使っていないコピーが残っていると、将来どれかを選んだ瞬間に穴が開きます。

まとめ

  • 日本郵便で送れないのは8か国(AT, BE, DE, DK, FI, FR, LU, PT)。EU全体ではない。8月31日時点で再開の目途は立っていない
  • 3ユーロは45ユーロで線が引かれる。単位は内容品ごと(HSコードごとではない)。そしてeBayセラーは全員BtoC
  • 11月1日からPIDが必須。中古品はM-PID(自分の管理番号)で足りるはずだが、業者への確認を勧める
  • 代替はSpeedPAK、UGX、CPaSS経由のFedEx・DHL。ポルトガルだけUGXが使えない
  • 配送ポリシーはコピーで除外が消える。1本ずつ確認する

制度は今も動いています。この記事の日付を見て、必ず一次情報も確認してください。日本郵便の国際郵便条件表が一番確実です。

DDPそのものの仕組みはこちら

150ユーロという線引きがどこから来ているのか、DDPにすると1件あたりいくら増えるのかは、別記事にまとめています。