箱らぼHAKOLABO
eBay輸出

eBay EU向けDDP必須化は何ドルから対象外?日本郵便では送れない

日本郵便のエアパケットとEMSではEU向けDDPができません。10月1日からの線引きを、価格帯と発送手段で整理しました

最終更新 2026.09.02書いた人:箱らぼ運営(現役セラー)

eBayから通知が来ました。2026年10月1日から、日本からEUへ送る出品で、商品価格が150ユーロ以下のものはDDP(関税をセラーが先に払う方式)でないと送れません。

読んだときは、また送料の話かとしか思いませんでした。調べていくうちに、そんな軽い話ではないと分かりました。

引っかかったのはここです。

今まで使っていた国際エアパケットでは、EU向けのDDPができません。

日本郵便がDDPの仕組みを用意したのは米国宛てだけで、EU向けは今のところありません。つまり「エアパケットで安く送っていた150ユーロ以下の商品」は、10月から送る手段が実質なくなります。

いくらから対象外か

先に結論です。

商品価格(送料は除く)どうなるか
$200以上今まで通り。何もしなくていい
$100〜200送れるけど、利益が3〜4割持っていかれる
$100未満やめたほうがいい

$200という数字は、150ユーロを為替の余裕込みでドルに直したものです。計算は後ろに書きます。

発送手段ごとの対応

eBayがDDP対応として案内しているものと、そうでないものを並べます。

発送手段EU向けDDP150ユーロ超のとき備考
SpeedPAK - Ship via FedEx対応(必須)DDPかDDUを選べる2026/6/26以降のCPaSSラベル作成分から
SpeedPAK - Ship via DHL対応(必須)DDPかDDUを選べる同上
SpeedPAK - FedEx @ International Connect Plus対応(必須)DDPかDDUを選べる同上
SpeedPAK Economy対応(必須)そもそも使えない2026/6/22以降。150ユーロ以下専用
国際エアパケット手段なし従来通り使える日本郵便のDDPは米国宛てのみ
EMS手段なし従来通り使える同上
小形包装物手段なし従来通り使える同上
FedEx・DHLの直接契約要確認DDPは条件として選べるはず。eBay側の扱いは各自で確認を

eBayのポリシー本文には、対応キャリアの名前が一切書かれていません。上の表でSpeedPAKに丸をつけているのは、eBayがEU向けDDPの案内ページでDDP対応として挙げているのがこの4つだからです。日本郵便に丸がつかないのは、日本郵便自身がEU向けDDPを出していないからです。

日本郵便のDDPは、Zonosという事業者のアプリを通して米国税関に前払いする方式で、2026年4月14日から始まっています。対象は米国宛てだけ。EU向けの告知は見当たりませんでした。

何が起きたのか

2026年7月1日から、EUは域外から直送される150ユーロ以下の小口貨物への免税をやめました。HSコードごとに一律3ユーロです。2028年7月1日までの暫定措置だそうです。

問題は、この3ユーロを誰が払うか。着払いにするとバイヤーが受け取り時に払うことになって、聞いてないという話になります。それを避けたいeBayが、10月1日から日本と韓国発のEU向けで、商品価格150ユーロ以下はDDPにしろと決めました。送料は判定に入りません。

守らなかった場合の書き方が、なかなか強めです。

DDP通関を使わずにバイヤーとトラブルが発生した場合、セラーの責任で解決すること。トラブルが原因でアカウントに出品制限がかかる可能性がある。

アメリカ以外の扱い

「関税をセラーが払うのはアメリカだけ」という前提が、10月で崩れます。今の状況を並べるとこうです。

送り先関税を誰が払うかいつから
アメリカセラー(DDP)2025年10月17日
EU加盟27カ国セラー(DDP)※150ユーロ以下2026年10月1日
イギリス買い手(DDU)変更なし
オーストラリア買い手(DDU)変更なし
カナダ・アジア各国買い手(DDU)変更なし

イギリスはEU離脱済みなので、ドイツやフランスと同じ扱いにはなりません。ここを混同すると、EUを外したついでにイギリスまで止めてしまいます。実際うちも、配送ポリシーをいじるときに危うくやりかけました。

セラー側の設定

DDPのオンオフを切り替えるスイッチは、eBayの管理画面にありません。どの配送サービスを選ぶかが、そのままDDPかどうかを決めます。

やることは配送ポリシーの見直しだけです。150ユーロ以下のEU向けをSpeedPAKに寄せるか、EUを配送先から外すか。米国向けと違って、金額の計算をセラーが自分でやる場面もありません。関税分はSpeedPAKの請求に乗ってきます。

150ユーロは今いくらか

2026年9月1日のECBレートで計算します。USD/JPY 160.16、EUR/JPY 185.63。

1ユーロが約1.159ドルなので、150ユーロは約174ドル。日本円で約27,800円です。

ここで$174ちょうどを境界にすると、たぶん事故ります。ユーロが強くなると、同じ$174が150ユーロを割ってDDP対象に落ちるからです。

EUR/USD150ユーロ相当
1.16(今)$174
1.20$180
1.25$188
1.30$195

なので$200を目安にしています。$174から$200のあいだは、為替次第でどちらにも転ぶグレーゾーンです。ここに商品を置くのは避けたい。

1件あたりいくら増えるか

150ユーロ以下をSpeedPAKで送ると、こうなります。

何が増えるかいくら
送料の差(エアパケット$12 → SpeedPAK Economy$20)+$8
EU関税 3ユーロ+約$3.5
合計約$11.5(約1,840円)

さらに国によっては手数料が乗ります。3ユーロとは別枠です。

いくらいつから1件合計
フランス2ユーロ(HSコードごと)2026年3月1日約$13.8
イタリア2ユーロ(1出荷につき)2026年7月1日約$13.8
ルーマニア約5ユーロ(25 RON)2026年1月1日約$17.3

フランスはHSコードごとなので、種類の違うものを同梱するとその分増えていきます。

価格帯ごとの損益

粗利率30%で並べてみました。

商品価格粗利DDPコストを引くと
$30$9−$2.5送るほど赤字
$50$15$3.5ほぼ残らない
$100$30$18.54割減
$150$45$33.525%減
$200以上影響なし対象外

$50を切ると、送るほど損をします。低単価でEUを狙い続ける理由は、10月以降ほぼないと思います。

うちでやった対応

$12の国際送料で全世界に出していた低価格帯の配送ポリシーから、EU27カ国を除外しました。イギリスとスイスとノルウェーはEU外なので、$12のまま残しています。

やってみて分かった落とし穴がひとつ。

eBayの配送ポリシーで「Europe」という地域ごと除外すると、イギリスやスイスまで一緒に消えます。EU27を1カ国ずつ指定して外してください。以前、US marketplaceでEU各国を個別指定しようとしてエラーで弾かれた記憶があったので身構えていたのですが、除外リスト側なら普通に通りました。

高単価帯のポリシーはいじっていません。$200以上ならDDPの対象外なので、エアパケットでもEMSでも今まで通りです。

悪い話ばかりでもない

SpeedPAKを設定した150ユーロ以下のEU向け出品には、7月1日から商品ページに「関税込み(includes import fees)」と表示されるようになりました。

バイヤーからすれば、受け取るときに追加請求が来ない保証です。コストは増えるけれど売れやすさは上がる、という交換になります。EUを続けるなら、ここは素直にプラスに働くはずです。

まとめ

期限は2026年10月1日、対象は日本発EU向けで商品価格150ユーロ以下(送料は別勘定)。

エアパケットとEMSではEU向けDDPができないので、実質SpeedPAKしか選択肢がありません。150ユーロは約$174ですが、為替を考えて$200を境界に置くのが安全です。$200以上なら何もしなくていいし、$100未満は素直にEUを外したほうがいいと思います。

数字の出どころは、eBayから届いたポリシー通知と、eBayのEU向けDDP案内、日本郵便の米国宛てDDP告知、ECBの為替レートです。金額の計算はこちらでやったものなので、動かす前にご自身の送料実費と粗利率で計算し直してください。うちの$12と$20という送料は、うちの商材と重量帯での話です。

米国向けのDDPと送料設定はこちら

米国向けは2025年10月から先にDDPになっています。関税の計算式と、売価に応じた送料の階段は別記事にまとめました。