「年末商戦は儲かる」とよく聞きます。実際どうなのか、公式決算とうちの出品データで確認しました。
先に結論です。発送は12月10日ごろまでに出す(クーリエは12月29日ごろが最終ですが、間に合わせるなら余裕を見て前倒し)。市場全体は伸びていますが、日本発の出品はむしろ減っています。原因はたぶん需要でなく制度です。
発送はいつまでに出せばいいか
| 発送手段 | 締切の目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 日本郵便(国際eパケット等) | 12月1〜2日ごろ | クリスマス配達に間に合わせる場合 |
| SpeedPAKエコノミー | 12月10日ごろ | 到着まで約10日かかる想定 |
| SpeedPAK(Ship via FedEx/DHL) | 12月20日前後 | クーリエ便は日本郵便より速い |
| 年末年始の受付自体 | 12月29日ごろ最終、1月6日ごろ再開 | 郵便・クーリエとも同じ目安 |
「間に合わないかもしれません」と早めに買い手へ連絡する、ハンドリングタイムを延ばす、というのはどの発送手段でも共通の保険です。
ブラックフライデーからクリスマスまでの日程(2026年)
| イベント | 日付 |
|---|---|
| Amazon Prime Big Deal Days(前哨戦) | 10月6〜7日 |
| Amazonの Black Friday Week | 11月19日ごろ〜サイバーマンデーまで |
| ブラックフライデー | 11月27日(金) |
| サイバーマンデー | 11月30日(月) |
| クリスマス | 12月25日 |
日本時間だと11月28日〜12月2日あたりが一番売れる、という体感の報告をよく見ます。この期間の少し前、11月中旬までに出品を増やしておくのが定石です。
「年末商戦は伸びる」を確認する
eBayとAmazonの直近決算を見ると、プラットフォーム全体はむしろ好調です。
| 指標 | 数字 |
|---|---|
| eBay GMV(2026年Q2、前年比) | +15%(FXニュートラル+14%)、うち米国国内GMVは+24% |
| eBay 通期GMVガイダンス | +11.5〜12.5% |
| Amazon 総売上(2026年Q2、前年比) | +20% |
| Amazon 北米セグメント(同) | +16% |
| NRF 2026年ホリデー予測(11-12月) | $1.41兆、前年比+4.1% |
| Deloitte 2026年ホリデー予測(11月〜翌1月) | $1.70〜1.71兆、前年比+4.0〜4.8% |
数字だけ見ると「今年も普通に伸びる」で終わりそうですが、これは主に米国国内セラーとC2Cの話です。うちの実際の出品(日本セラー限定)で同じ期間のTerapeak Soldを見ると、様子が違いました。
| キーワード(JPセラー限定・90日) | 2025年Q3 | 2025年Q4(年末) | 2026年Q1 | 2026年Q2 | 2026年Q3(9月時点) |
|---|---|---|---|---|---|
| ポケモンカード | 267,527件 | 169,597件 | 191,389件 | 208,441件 | 178,177件 |
| Nintendo Switch | 7,284件 | 5,518件 | 5,182件 | 4,532件 | 4,206件 |
| ヴィンテージ時計 | 7,311件 | 5,698件 | 5,201件 | 4,565件 | 4,828件 |
3つとも、2025年Q3から今年にかけて件数は減っています。ただし減り方は一様ではありません。
- Nintendo Switch:一貫して右肩下がり(7,284→4,206)。去年の落ち込みで止まらず、今も縮小が続いています。
- ヴィンテージ時計:Q2まで下がったあと、Q3でわずかに反発(4,565→4,828)。下げ止まりつつあるように見えます。
- ポケモンカード:急落したあとQ1・Q2で回復(169,597→208,441)、Q3でまた反落(178,177)。相場に左右されやすく、一方向の傾向とは言えません。
タイミングも一致しています。米国のde minimis(少額免税)が全面停止したのは2025年8月29日。$800以下でも無条件に免税、という前提が消え、小型国際包装物が丸ごと関税と通関手続きの対象になりました。ドロップシップ型の輸出が最も割を食う変更です。EU側も同じ流れで、2026年10月1日から150ユーロ以下のDDP(関税前払い)が必須になっています(別記事)。
つまり、市場(パイ)自体は伸びているのに、日本発の越境出品だけ取り分が減っている、という構図です。需要が弱いからではなく、制度変更で発送のハードルが上がったことが主因とみられます。
まとめ
発送は12月10日ごろまでに出す、が一番安全な目安。ブラックフライデー(11/27)からクリスマスにかけて出品を増やすのは去年までと同じですが、「年末だから伸びる」を鵜呑みにはしないほうがよさそうです。プラットフォーム全体は二桁成長していても、日本発の出品はde minimis撤廃やDDP義務化の影響で前年割れが続いています。伸びているジャンルと縮んでいるジャンルの差も大きいので、仕入れる前に自分の商材で同じようにTerapeakを確認することをおすすめします。
数字の出どころは、eBay Inc.とAmazon.comの2026年Q2決算、NRF・Deloitteの2026年ホリデー予測、うちのTerapeak実測(Sold・90日・全コンディション・JPセラー限定)です。Terapeakは自動生成のサンプル調査で、JPセラー限定の絞り込みは実態を過小評価しやすいという癖もあります。仕入れ判断の最終確認は、必ずご自身の商材で取り直してください。
